「人々はばかげたユーザー名を作り、匿名でTumblrにジョークのスレッドを延々と作っていた。」楽しそうだなあ
人生、いよいよネガティブな事柄しか思いつかないので何か書こうと思うのだが言語化することにあまり意味を見出せない。ともあれ正月が過ぎて良かった。休暇を他人がどう過ごしたか聞いたり聞かれたりする無意味なお喋りに巻き込まれたくない。夏と冬と年に2回もこういうことがあるのはうんざりする。人間に向いていないタイプの人間のことをなんて言うんだったかな。
東京都現代美術館で開催中の「マーク・マンダース マーク・マンダースの不在」展に行ってきた。朝一番で訪問したが、先客は皆同時開催のライゾマの方へ吸い込まれて行ったのでほぼ貸し切り状態、とてもゆったりと鑑賞することができた。インスタレーション独特の作者の頭の中を歩き回るような体験は奇妙で楽しい。「不在」や「未完成」といったものはある意味で理想的な形なのかもしれないな、と鑑賞しながら考えていた。内臓剥き出しのようにも見える「未完成」は生成でもあるが腐敗にも感じる。あるいは、恒久的に留まり続ける「過去」を鑑賞者の意識を通して遡るように感じる作品もあった。マーク・マンダースの文字ではなく立体を通じて語るという行いを、自分なりに少しは解釈できた、のだろうか。とにかく面白くて何度も行き来した。あと粘土か石膏に見えてブロンズ製の制作物が多くて、この辺の知識がないのだがあの質感、どうやって作るんだろう。
順路最後にある床下に三羽の鳥の死体(のオブジェ)が埋められている部屋は普通に最高だったな。「大地は死に覆われている(けれど普通に地面を歩く時それに気づくことはない)」のだ。
怒りたい時に怒ったり泣きたい時に泣いたりできたのって何歳ぐらいまでだったんだろうな。やめるとか諦めるとか、そういうスタイルがいつの間にか自分の生き方を上書きしてしまった。そうではなかった時期ってどこだったんだろう。20歳頃には完全に目が死んでいたから、せいぜい17、8かそこらまでかもしれない。いやそんなメンタルで高校進学した気がしない。中学と同時に卒業したかもしれない。15歳とかもう記憶がないよ。でもきっと一瞬の喜怒哀楽に生きるか死ぬかという問題が詰まっていて、目の前の何もかもが美しいか汚いかどちらかだった。思春期って楽しいや。
あれから時が経って、負け惜しみみたいなトライアンドエラーを無数に繰り返して、結果修復不可能なエラーの負債を背負いながら乗りたくもない電車を待つ今を今日も生きてるけど。
チョコレートである。フェアトレードマークというものについては、それが本来の目的を厳正に果たしているかという点において、あまり信用していない。かといって自分が直接的に何かするのも難しいので、そこは信頼できる企業を見つけ、消費者として選択していきたい。Tony’s Chocolonleyが気になっていて、日本でも入手しやすくなってくれたらいいなあと思っているところ。
月曜から結構疲れている。昨日の夕飯は茄子の揚げ浸しとブロッコリー胡麻和え、青椒肉絲と甘酒の味噌汁を作った。さらに玄米を混ぜたご飯と、薄く作ったレモンサワー付き。これは外で食べたら2000円くらいするだろうなと自画自賛した。
副菜をいくつか作っておくと食事の支度が簡単でいい。料理は基本的に面倒でやりたくはない。何もなければ胡瓜でも齧っておけばいいくらいなのだが、時々作ることが妙に楽しい日がある。今日、茄子がまだ余っていたので味噌炒めにして、鶏を蒸して裂いておいた。二品。これ以上はやめておく。こういうことは疲れ果てるまでやっても仕方がないのだ。
一昨日本郷のあたりをぶらぶら歩いた。年始のためにまだ相当の店は閉まっていた。謹賀新年の貼り紙を幾度も見ながら坂を下りて白山通りに出ると、都心へ向かうにつれて結構な人出にあった。神保町で本を買おうと思ったがやめて戻り、また坂を上った。珈琲豆を買おうか迷ったが、出直すことにした。
昨日は「燃ゆる女の肖像」を見た。途中までは「面白いけど好きかと言われるとどうだろう」と思っていたけれど、ラスト十数分で完全にやられた。見る者と見られる者。両者はどこまでも対等だ。エロイーズは美しい愛を抱えたまま黄泉から戻らないことを選んだのだろう。それを死とは呼びたくないけれど、ひとつの終わりは悲しい。
帰りに皇居のあたりまで行ったら人は全然いなかった。鴨がゆったりと泳いでいる水にあかるい空が映っている。そのひらけた空気を吸って電車に乗った。
猫の事務所(宮沢賢治)
新版 指輪物語6(J.R.Rトールキン)
安田講堂攻防七十二時間 東大落城(佐々淳行)
おじいさんに聞いた話(トーン テレヘン)
よみがえる天才1 伊藤若冲(辻惟雄)
オリガ・モリソヴナの反語法(米原万里)*
トムは真夜中の庭で(フィリパ ピアス)
ライオンと魔女(C.S ルイス)
わたしを離さないで(カズオ イシグロ)
雪が降る(藤原伊織)
*フォームで勧めて頂いた本
最近購入した本もあるが、積読をいくらか消化できたので良かった。ナルニアはこれまで読んだことがなかったのだが、指輪物語を読み始めたのが良いタイミングとなった。
*は別所経由で勧めて頂いたのだが、あまりに面白くて一気に読み終えてしまった。登場人物がどんどん増えて行くけれど、全員にドラマがあり、しかも最後は綺麗に一つの結末へ行き着くのが最高だった。
指輪物語の合間にKindleで買った本を消化しているのだが、ドナルドキーン先生の本ばかり読み進めている。三島由紀夫と深く親交のあったことは知識として知っていたが、自身の言葉で語られる三島像はやはり面白く、興味深い。私は昔から三島の書く文章に苦手意識があって、「金閣寺」が良かったこと以外の記憶があまりない。没後50年ということで各所の特集を色々と読んだりもしたが、結局「まあ金閣寺は良かったよね」以上の感想を持てなかった。しかしここへきてキーン氏が「三島さん」と親しみを込めて回想するのに触れて、また少し読んでみようかという気になっている。
昼から予定があったので午前中は在宅した。なんとなく思い立ってキッシュを作る。タルト生地を作るのは面倒だったので冷凍のパイシートを使った。具を炒めるのも面倒だったのでレンジで加熱したものをそのまま入れた。それでも大体いいように出来る。だけどまあ、次回はきちんとタルト地を焼こう。